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なんだこれ?
2006.12.02 (Sat)


岡崎には作務衣がよく似合う――。

ふと、そう思って僕は、タンスの奥から作務衣を引っ張り出した。
昨年、インターネットで衝動買いしたのだが、何となく、着そびれたままになっていたものだ。

袖を通し、鏡の前に立ってみる。

僕の思ったとおりだ。いや、それ以上かもしれない。

まるで、ガンコが売りのそば屋の若大将みたいだ。

「お客さん。そんなにつゆ付けて食ったら、せっかくのそばの香りがだいなしになるだろうが!」

……うーん、こういうのはちょっとそぐわないな。

やっぱり、ガンコは売りにしない方が良い。

とやかく言わない、寡黙な主人の方が、岡崎の風貌には合っている。

よし、お昼はそばを食べよう。



家に、そばがなかった。しかたがない。うどんで我慢するか。

せっかくの上機嫌に水を差されてしまった感じだ。

作務衣とうどん。これが、どうもしっくりこない。「ん」のせいかもしれない。

作務衣とうどば。ヘドバとダビデみたいで、これもよろしくない。

いいや、別に。気を取り直して、うどんをゆでることにした。

ひとり見る夢は すばらしい君の 踊るその姿♪

うどんをゆでながら、僕はヘドバとダビデの「ナオミの夢」を口ずさんでいた。

うどんには「ナオミの夢」がよく似合う。僕の機嫌はすっかり良くなっていた。

人間の機嫌なんて、ひょんなことで直るものなのだ。



あと、もう少しでうどんがゆであがる。そんなタイミングで、電話が鳴った。

僕は、再び不機嫌になる。

うどんは、こしがすべてだ。ゆで時間を間違うと命取りになるのだ。

僕は、だから電話を無視することにしたのだが、電話は一向に鳴りやまない。

8回…、9回…、10回…、11回…。
おかしいな。10回コールしたら、留守電に切り替わるはずなのに。

12回…、13回…、14回…。
結局、僕はあきらめて火を止め、電話に出た。

「作務衣は、浅井の方が似合うよ」

藪だ。



たしかに藪の言うとおり、作務衣は浅井の方が似合うかもしれない…。
とたんに僕は、気恥ずかしくなってきた。

「すまない。気を悪くさせるつもりはなかったんだ」

低く、よく通る藪の声で謝られると、なんだか余計に落ち込んでしまう。

「それより、君に手紙を送ったんだけど。今日あたり、届いているはずだから」

手紙?

「君は以前、今岡になりたいって言っていたよね」

井川に変身したとき、次は今岡になりたいと思っていた。
その願いはかなわず、岡崎になったのだが。

「いつか今岡になれたら、その手紙を開けて読んでほしいんだ」

……。

「あ、そうそう。僕はいまメキシコのウインターリーグで頑張ってるから」

そう言えば、何日か前にそんな記事を読んだ記憶がある。

「みんなによろしく言っておいてくれ。じゃあ」



僕は作務衣を脱いで、いつものジャージに着替えた。

うどんは、少しのびていたので、水でさらしてぶっかけうどんにして食べた。

そうだ、手紙――。

僕は急いで洗い物を済ませると、郵便受けをのぞきに行った。

宅配ピザや新築マンションの案内のチラシに紛れて、淡いピンクの封筒が入っている。

これだろうか。封筒には郵便番号も、宛名も、何も書いていない。
なのに切手が貼ってあり、ちゃんと消印も押してある。

なんだこれ?

僕は部屋に戻り、テーブルの上にその封筒を置いて、しばらく眺めていた。

これも、DMかなにかだろうか。透かしてみたりしたが、中身はよく分からない。

思いきって開けてみることにした。



中には、厚手のカードが入っていた。
封筒とほぼ同じサイズだったので、取り出すのに少し苦労したが、なんとか引っ張り出すことができた。

白いそのカードには、いかにも藪らしい達筆な文字で、たった一言

「焦らず焦れ」

と書いてあった。



藪はこの手紙を「今岡になったら開けろ」と言った。

「焦らず焦れ」

訳の分からない言葉だけど、今岡の置かれた立場を考えれば、よく理解できそうな気がする。

藪もきっとそう判断したのだろう。だからこそ、この禅問答のような言葉を今岡に贈ったのだろう。

でも……。

でも、この言葉、岡崎である僕にだって、なんとなく理解できるのだ。本当になんとなく、だけど。
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【記事編集】 |  03:42 |  妄想  | トラックバック(0) | コメント(9) | Top↑
コメント
ヘドバとダビデの「ナオミの夢」って実在のバンド???
東京には何があるかわかんねえだ?

井川式英会話という本を本屋で偶然見つけてアップしたらご本人の井川先生降臨
三人目の井川「カリスマ英語教師 井川治久」君臨
……事実は小説より奇なり、妄想より凶悪なり
かんさいや |  2006.12.02(土) 08:39 |  URLコメント編集
■作務衣が一番似合うのは
岡田はんではないでしょうか?

                 ◇
試合のない午後の昼下がり。
陽集は学校へ、陽子は陽集の高校時代のPTA仲間と梅田で有閑ランチに出かけて
いった。
ひとりきりで遅めのブランチを取っている作務衣姿の岡田監督は、陽集が去年の誕
生日にプレゼントしてくれた「2005年阪神タイガース選手フィギュア」を引っ張り
出してきて、ダイヤモンドに見立てたダイニングテーブルの上で、いつもの架空実
況中継に興ずるのであった。

『1点差を追いかけるタイガース。六回裏ノーアウトランナー一塁。ランナー赤星、
バッター関本で、さあこの場面、岡田監督は動いてくるのか・・・』

                 ◇

妄想タイガースを美味しくいただきました。(-人-)

いわほー |  2006.12.02(土) 10:48 |  URLコメント編集
■うどんはアルデンテ
>封筒とほぼ同じサイズだったので、取り出すのに少し苦労したが

どこまで臨場感出してるんですか(笑)


>「焦らず焦れ」

いい言葉やね。
「なんとなく」ぢゃないよ、岡崎くん。


先日はオチに採用して頂きありがとうございます。
「新庄さんの穴は僕が埋めます」
KEN |  2006.12.02(土) 11:17 |  URLコメント編集
■サンダ対ガイラ
ヘドバとダビデ・・・知ってんのはドラネコさんといわほーさん位やろな~ 笑
何でか分からんけど、思わず、サンダ対ガイラ思い出しましたわw
でんまん |  2006.12.02(土) 16:31 |  URLコメント編集
■途中で送信してしまった
浅井も岡崎もモタモタしてたら、再来年橋本あたりが出てきて、ポジション取られまっせ!

藪チン、カムバック!・・・先発3回限定で 笑
でんまん |  2006.12.02(土) 16:35 |  URLコメント編集
■かんさいやさま。
>ヘドバとダビデ
70年代に活躍したイスラエル人デュオです。
あのころはベッツィ&クリスとかヒデとロザンナとか、そんなんばっかりでした。
なんか自分でオッサンさらしてるなあ。

>井川先生降臨
そちらで見ましたよ。すごいねえ、ご本人。
もし慶が来たらどうする?
喜八 |  2006.12.02(土) 21:37 |  URLコメント編集
■いわほーさま。
今日もお粗末さまでした。

妄想の中の主人公が妄想に興じる。これは「二重妄想」という高度なテクニックだ。
まだまだ僕も甘いですなあ。もっと精進せねば。
喜八 |  2006.12.02(土) 21:41 |  URLコメント編集
■KENさま。
>封筒とほぼ同じサイズ
あれ、腹立つでしょ。イイーッってなるでしょ。

>岡崎
彼はまだ、今岡クラスの焦燥感はないんでしょう。
でもこのままでは、「振り向けば小宮山」になりかねませんね。

>新庄さんの穴
おお。ひちょり見る夢は すばらしい君の♪
喜八 |  2006.12.02(土) 21:46 |  URLコメント編集
■でんまんんさま。
>サンダ対ガイラ
僕はあれ、気持ち悪くて見れませんでした。

ホントに橋本あたりが出てきてくれたら、ポスト矢野は安泰なんですけど…。

藪はどうしたいんでしょうね。帰ってきたいのかな。
喜八 |  2006.12.02(土) 21:52 |  URLコメント編集
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