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時には歴史小説のように
2006.10.01 (Sun)
阪 神-中 日 21回戦 (中日14勝6敗1分、甲子園、48515人)
 
竜 0 0 0 0 2 0 3 2 0=7
虎 1 0 0 0 0 0 0 0 0=1

【投手】
(中)山本昌(10勝7敗)、鈴木、小林、岡本-谷繁
(神)福原(12勝5敗)、ジェフ、久保田、江草-矢野

【本塁打】
(中)
(神)


二塁砦に投じたはずの球は、
なぜか、中央砦(注:マウンド)付近を転々としていた。

愛する妻が犯した、大きな失策。
男は混乱した。
そして、考えた。
なんとか、これを帳消しにできないものか。
その答えは、意外にも容易く見つかった。

自分自身が、失策を犯すこと。
それによって、妻の失策を世間の目から逸らす。

男の頭の中は、すでにこのことのみに支配されつつあった。

ここで読者は、

男は誤った解答を導き出している。

と思うに違いない。

しかし、そう断罪することは、いささか軽率にすぎると言わざるを得ない。

これまで、献身的に支えてきてくれた妻が起こした、信じ難い失策。
それを目の当たりにしたことによって、混乱した彼が、
半ば衝動的に下した決断。
稚拙かもしれない。
しかしいったい、この状況下において、
いかなる選択肢が残されていたというのか。
彼の判断は、何人(なんぴと)にも責めることはできない、
筆者は、そう思っている。

ところが、彼はここで、致命的な失敗をしてしまう。
自作自演の失策が、非常に、中途半端なものになってしまったのだ。

一塁砦に投じた球が、わずか手前で短弾(注:ショートバウンド)し、
二塁砦から救援に駆けつけていた野手が、前にこぼす。

これが、男の企図した、自作自演失策の全容である。
妻の失策と比べると、衝撃、という点において、
どうしても見劣りがする。

事実、合戦を遠巻きに見物していた者たちの目には、
妻の失策の残像が、いまだ色濃く刻み込まれたままであった。

男にとって、さらに不運だったのは、
この失策、見た目には、
救援に駆けつけた野手の失策のように映ってしまったことだ。

そしてこの野手こそ、前回の「後楽園ヶ原の合戦」において、
男の窮地を幾度となく救ってくれた、
二塁の防御手、忍者「猿」、その人である。

男は、ますます、混乱の度合いを深めていく。
愛する妻の失策は、帳消しにできなかった。
それどころか、命の恩人とも言うべき「猿」に、
失策者の汚名を着せてしまうところだった。
絶望が、彼を支配しようとしていた。

男には、落合博満軍の攻撃に抗うだけの気力は、
もはや残っていなかった。
精も根も尽き果てた表情で、
男は中央砦に立ち尽くしていた。

退却。
男は、そうつぶやき、静かに合戦場から姿を消した。
時に平成一八年九月三〇日、申の刻のことであった。

猿と申がかかっていることに、
歴史の小さないたずらを感じるのは、筆者だけであろうか。

甲子園ヶ原の合戦。
快進撃を続けてきた岡田彰布軍が喫した手痛い敗北。
その裏には、こうした、決して歴史の表舞台に出ることのない、
一人の武士(もののふ)の悲しい物語があるのだった。
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【記事編集】 |  02:17 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(10) | Top↑
コメント
なんか、いい小説ですね。愛があふれてて。
手痛い敗北・・・、たしかに。
でも、それでこれまで勝ち続けてきた勝利が消えてしまうことはない。
また、進撃してくれればいいんですよ。
sai |  2006.10.01(日) 07:08 |  URL【コメント編集
■歴史小説~正妻編~
歴史小説できましたかー!(笑)
「猿と申」・・・・・・うーんIDな感じですね。

「愛する妻」が「犯した大きな失策」の裏には、
もうひとつの「愛の物語」があったのかもしれない。
あの時、捕手犠打を転がしたのは、他でもない「元夫」。
連れ添い始めた春の頃には、宿舎も同室で「テル!(=輝)テル!」と呼ばれ、
側室である新妻をもっとも可愛がってくれた「あのお方」。
年上の「元夫」が、頂点に輝くチャンスはこれが最後かもしれない・・・
自分の年齢は棚に上げ、そんなことが一瞬、「元側室」の脳裏によぎったのかもしれない。
甘酸っぱい春の思い出と共に・・・

中央砦で打ちひしがれ、頭をもたげる「今の夫」を見たとき、
「正妻」はそんな思い出に一瞬心を奪われた自分を激しく呪った。
かける言葉もなく、ただただ夫の左肩をガシッと支えてやることしかできなかった。
その時、妻はまだ、「年下の夫」が自分をかばおうとこんなこと↑を考えていたとは知るよしもなく・・・

す、すみません。ひとんちに上がりこんで、
どこまでも「愛の妄想ワールド」を膨らませちゃいまして。(苦笑)
R62号 |  2006.10.01(日) 12:24 |  URLコメント編集
■刀折れ矢尽きた
どこまで行くねん! 上のお方の勝手な妄想は、ほっといて 笑
どんぶりがわ様・・・・元エースの魂の叫びをウチで掲載しておりますんで、是非お立ち寄り下さい。w
でんまん |  2006.10.01(日) 12:54 |  URLコメント編集
■saiさま。
お、いい小説ですか。
しまったな、下柳が投げる日においとけばよかったかな。
それにしてもsaiさん、昨日、寝てないでしょ(笑)。
喜八 |  2006.10.01(日) 15:32 |  URLコメント編集
■R62号さま。
う~む、あのとき「お輝の方」が一瞬、
二塁砦への送球を躊躇したように見えたのは、
そんな心の葛藤があったからなのか。
そしたら、それを見ていた一塁走者の現正妻、
「お元の方」は、きっと「お輝さまって悲しい人ね」
ってほくそ笑んだことでしょう。

喜八の頭の中は、すでにこんな妄想のみに支配されつつあった。
ああ、助けて…。
喜八 |  2006.10.01(日) 15:44 |  URLコメント編集
■でんまんさま。
しまった、先に喜八がそちらにお邪魔してしまいました。
どんぶりがわさんからのメッセージも添えておきましたが…。
喜八 |  2006.10.01(日) 15:51 |  URLコメント編集
■し、しまった・・・
谷繁までは頭が回らんかったですわー。(笑)
も、もう勘弁してくださーいっ!(笑)
R62号 |  2006.10.02(月) 01:18 |  URLコメント編集
■パクリ
どんぶりがわ様、2度目のパクリ許してくだせぇ~ 笑
でんまん |  2006.10.02(月) 16:57 |  URLコメント編集
■R62号さま。
わはは、妄想族はつらいですね、お互い。
喜八 |  2006.10.02(月) 20:00 |  URLコメント編集
■でんまんさま。
いやいや、お気になさらず、
って、なんのことかよくわかりませんが(笑)。
喜八 |  2006.10.02(月) 20:03 |  URLコメント編集
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