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夢十夜
2007.02.05 (Mon)
第二夜

こんな夢を見た。

なじみの小料理屋「阿津志」で、一人、飲んでいると、
衝立越しに、聞き覚えのある声が漏れてきた。

おかだ「まあ座れや、ビールでええか?」
しょうだ「おおきに。で、今日はなんですのん?」
おかだ「ビール来たで。まあ飲めや」
しょうだ「いただきます」

監督と正田コーチ。
途端に居心地が悪くなってきた。
いまだに、この二人の関西弁に馴染めないでいる。
夏の湿気のように、ねっとりとまとわりついてくる感じがするのだ。

一気に、酔いが覚めた。
三杯目の「船中八策」を頼むつもりでいたが、もういい。
店を替えようか、それともこのままホテルに戻るか――
いずれにせよ、ここはもう出ようと思い、腰を浮かせたときだ。
衝撃的な言葉が耳に飛び込んできた。

おかだ「実はトレードしよか思とんや」
しょうだ「この時期にですか?」
おかだ「そや」
しょうだ「で、だれだれですのん?」
おかだ「……赤星と鳥谷や」
しょうだ「監督正気ですか?」
おかだ「もうオリックスに打診しとる」

赤星さんと僕が、オリックスへトレード。

出される理由など、どこにもないはずだ。
僕はあらためて座り直す。
無言でマスターにグラスを掲げ、おかわりの合図をした。
いったい、だれと交換なんだ。

おかだ「たった1回の人生。俺はやりたいようにやるで」
しょうだ「……」
おかだ「関西人だけのチームで勝負したる!」

そんな理由で…。
じゃあ、トレードの相手は、大阪出身の清原さんなのか。
そのとき、僕の携帯が鳴った。
清原さんからのメールだ。

おお、ワシや。
こっち来んねんて?
そっちとちごて、こっちは居心地ええでえ。
まあ、一緒に頑張ろや。
ほなな。

トレード相手は清原さんではない。
じゃあいったい誰なんだ。
再び、携帯が鳴った。

いっぴき、にひき、おおびきでーす!
なんか僕が、鳥谷さんと赤星さんと交換で、
阪神に行くことになったみたいっす!
頑張るっす!
大安、友引、大引でした!

……。
なんだこれは。

しょうだ「そしたら金本も…」
おかだ「いや、金本はええんよ」
しょうだ「はあ」
おかだ「あいつは『関西のノリ』がわかる男や」

たしかに僕は、関西のノリがわからない。
でも、大引のあれが、関西のノリで通用するレベルなのか。
めまいがしてきた。
                ◇
いつのまにか、岡田監督が目の前に座っていた。
――どうや、大学の先輩、しかも信頼されてると思い込んでた監督に裏切られる気持ちは。
返す言葉もなかった。
――まあええ。10年や10年。10年たったら、呼び戻したる。それまで我慢せえ。
――ああ、そうそう。ここの払い、俺が済ませといたからな。
そう言って、監督は席を立った。
赤星さんはもう、このことを聞いているのだろうか。
監督の後ろ姿をぼんやり見つめながら、僕はそんなことを考えていた。
                ◇
目を覚ますと、僕はまだ「阿津志」にいた。
あれから、どれくらい時間がたったのだろうか。
監督におごられたくない――。
そう思い、僕は一から飲み直すことにししたのだった。
――マスター、監督はもう帰りましたか?
――いえ、今日はお見えになってませんが。

ということは丸一日、ここにいたのか?
いや、違う。あの出来事そのものが、夢だったんだ。
そうだよな。あんなトレード、あるはずがない。
僕は水を一杯もらおうと思い、顔を上げた。
壁に掛かった大型テレビが目に入る。
昼間のキャンプの様子を再放送していた。
「猛虎キャンプリポート2017 三冠王中田翔に聞く」

――ああ、もうあれから10年たっていたんだな。
僕はそのとき、初めて気付いた。




special thanks to: akira“iwaho”teraoandDr.KEN
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