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勝負!
2007.09.15 (Sat)
たいろん「ヤッパリ球児ハ最高ヤデ!」
つうやく「良い勝負でしたね!」
たいろん「ソヤロ。コレゾ男ト男ノ勝負ヤデ!」

とかいう懐かしいネタを書いてみたが、バカバカしいのでやめた。
昭和44年会の重鎮、片岡はもういないのである。

次にダーウィンvsタイロンの「焼きそばvs焼きそばパン」対決も妄想してみたのだが、
やっぱりバカバカしいのでやめた。
タイロンと焼きそばパンが直結する人なんて、日本中に3人くらいしかいないのである。

そして、こんな時間になってしまった。

世間ではおそらく、「なんでウッズと勝負すんねん!」
とお怒りの方も多いだろう。

久保田のケースは、うーん、まあ歩かしでもよかったかもしれないが、
球児のところはつべこべ言わず勝負だ。

面白かったやん。堪能できたやんか。それでええやん。

「優勝争いしてる大事な時期に!」

っていうかもしれないけど、アレ、優勝争いしてるからこそ勝負できたんやと思う。

勝負を度外視したんじゃなくて、勝負を重視したからこその勝負。

ああ、何言うてるかわからん。

首位攻防戦、9回、同点、エース対4番。
これだけの要素が揃っていたからこその勝負、だったと思う。

もし、阪神がいま下位に低迷しているとしたなら。
もし、中日が優勝争いから脱落しているとしたなら。
もし、阪神がリードしていたなら。
もし、マウンドにいるのがJFK以外の投手なら。
もし、打席に立っているのがウッズ以外の打者なら。

これらの「もし」のうち、一つでも当てはまるものがあれば、
あの場面は間違いなく敬遠だったと思う。

まあ、そもそもこの1敗で優勝が絶望的になったわけでもなんでもない。

まだ首位。

文句が言いたいなら、シーズンが終わって優勝を逃したときに言えばいい。

「あのとき球児が勝負したからや」って。

球児にそんなことが言えるもんならね。
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【記事編集】 |  06:06 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(2) | Top↑
秘密
2007.08.27 (Mon)
今日の藤原に、平常心を求めるのは無理だ。


試合開始前のことである。

ロッカールームを一番最後に出た藤原は、

出口のところに、長さ3センチほどのボルトが落ちているのを見つけた。

「なんでこんなところに…」

と思い、拾い上げると、

突然、目の前に金本が現われた。

金本は、

「おお、そんなとこに落ちとったか」

と言い、藤原の手からボルトを、ひょい、と取り上げた。

そして、ベンチに腰かけると、おもむろにユニフォームの左足の方のズボンをたくし上げ、

慣れた手つきで、膝の外側に開いている小さな穴に、

くるくるくるくる……

と、そのボルトをはめだしたではないか。

藤原が、あっけにとられてその様子を眺めていると、

視線に気付いた金本は、

「これか。ねじ穴がバカになっとってなあ、すぐはずれてしまうんじゃ」

平然と、そう言い残して、ロッカールームを出て行った。

「よっしゃ、これで2,3日はもつなあ」

金本の声を背中越しに聞きながら、藤原は、その場に呆然と立ち尽くしていた。


今日の藤原に、平常心を求めるのは無理だ。
【記事編集】 |  00:23 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(2) | Top↑
虎の舌
2007.08.16 (Thu)
奥田瑛二に似ている――。
マウンドに上がった下柳。
彼の顔を、記者控え室にあるモニターを通じて見たとき、私はふと、そう思った。
下柳は、男前である。この点については、誰にも異論はないだろう。
ただ、これまで奥田瑛二に似ていると感じたことは一度もない。
つまりこれはこういうことだ。
下柳は、かつてない表情をしている、と。

猛暑日が続く日本列島。
気温は夜になっても一向に下がる気配をみせない。
クーラーをつけっぱなしにして眠りたいところ。
でも、今阪神は正念場。ここで私とて、体調を崩すわけにはいかない。
そこでいつもタイマーを設定するようにしている。
しかし、タイマーが切れるとまもなく、暑さで目を覚ましてしまう。
昨晩もそうだった。
結局、そのまま再び眠ることはできず、しかなたくテレビをつけた。
ちょうど、深夜の映画が始まるところであった。

巨匠、ダン・ブックストア監督の最高傑作と言われる「土曜の夜はセデデガーン」だ。
名優、ジャン=ポール・マルゼーン演じるピエールはタクシードライバー。
ある土曜の夜、ピエールは雨の中、一人の矢野を乗せる。
矢野は車に乗るやいなや、行き先も告げずに
「さっき、男と別れてきたの」と呟く。
ルームミラーに映る矢野の姿。
そこには、3年前、愛し合いながらも別れざるをえなかったレベッカが映っていた――。

こうして始まるこの映画の主題は「男と矢野の友情は成り立つか」であるという点で明確だ。
ブックストア監督は、この人類の永遠とも言えるテーマに、
タクシードライバーとその客という二人の会話のみで切り込んでいく。
斬新すぎる。公開当時物議を醸したこの手法は、結局、
アオデミー賞主要部門独占という輝かしい栄光をもたらした。

熱帯夜、という歓迎しがたい自然現象が、図らずも、この未見の映画に巡りあわせてくれた。
暑さを忘れ、最後まで堪能した。

さて、下柳である。
下柳が矢野と別れたことは、彼らと近しい人間ならば、もはや周知の事実であろう。
後半戦、下柳が調子を落としたのも、この悲しい別離が暗い影を落としていることは、想像に難くない。
一方で矢野は、早くも下柳との関係を、過去のことと割り切っている。
直接聞いたわけではないが、おそらくそうであろう。

「土曜の夜は……」で、マリア・キノックニー演じるレベッカは、
「そう。男と矢野って、別れを通じて成長するものなんだわ」と言う。
それに対しピエールは反論を試みる。
「男にとって、矢野との別れというのは痛みでしかありません。別れを繰り返すほど、男は弱くなる。臆病になる。別れの傷は、何年たっても、ふいに痛み出すもの。そう、まるでリウマチのようにね」

「まるでリウマチのようにね」という台詞は、この映画の公開当時、日本でも大流行した。
現在50歳以上の男性なら、誰もが一度は口にした台詞ではないだろうか。

現在の下柳は、この「愛の終わり」というリウマチに罹ったようなもの。
かつての恋人を相手に投げなければならないその心中はいかばかりか。

記者席では、そんな下柳の心中を慮ってか、岡田監督の選手起用に非難が集まった。
「野口でも、狩野でも良いじゃないか。あえて矢野とバッテリーを組ませるなんて非情すぎる」と。

しかし、私は岡田監督を支持したい。
矢野という現実を乗り越えることでのみ、矢野という幻想を忘れ去ることができる――。
現役時代、やはり矢野の魔力にはまったことのある岡田監督ならではの配慮だ。

現に下柳のピッチングは、回を追うごとにかつての輝きを取り戻し始めていたではないか。
立ち上がり四球を連発し、明らかに動揺の残っていた下柳が、
その後徐々に、いつもの絶妙なコントロールを取り戻し始めたではないか。

その過程でみせた「奥田瑛二顔」。
「シモさん、お疲れさん。やっと吹っ切れたんやな」。
私は記者席で、そう呟かずにはいられなかった。

残念ながら試合には負けたが、なあに、中日に負けたわけではない。
審判の気まぐれに負けただけだ。

下柳の復活なくして、1位通過はありえない。
その意味で、今日の下柳の好投は、今後に明るい光を灯したと言えるだろう。

ところで「土曜の夜は……」のエンディング。
レベッカを降ろしたピエールは、レベッカが最後まで自分がピエールであることに気付かなかったことで、
3年前から引きずっていた恋愛にようやく一つの区切りをつけることができたという前向きな決意を、
ピエールに独白させる。
しかしレベッカは、タクシーに乗った瞬間から、運転手がピエールであることに気付いていた。
降りしきる雨の中、いつまでも、タクシーのテールランプを見つめるレベッカ、というシーンで終わっている。


【記事編集】 |  22:28 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(8) | Top↑
朝倉
2007.08.16 (Thu)
おかだ「おのれ、朝倉め…」
くぼ「まあ、しかたないですね」
おかだ「序盤はええ感じで攻めてたのになあ」
くぼ「え?そうでもないですよ」
おかだ「あと一歩のとこまで追い詰めたのに」
くぼ「あまりチャンスはなかったような…」
おかだ「浅井の裏切りさえなければなあ」
くぼ「え、浅井?浅井は2軍ですけど……って何読んでるんですか?」
おかだ「ん?『国盗り物語』や。今日やっと3巻読み始めたとこ」
くぼ「今日はえらい隅っこでおとなしくしてると思ったら」
おかだ「こんな試合、暇やん。桧山出すことぐらいしかやることあらへん」
くぼ「無理に出さなくても」
おかだ「アホか。JFKも見られん。桧山ダンスもできん。お客さん何しにきたかわかれへんやん」
くぼ「はあ」
おかだ「Be the Best for the Funsやがな」
くぼ「なるほど。あ、ちなみに監督、それ『あざい』です。『あさい』と違いますよ」
おかだ「知っとるわ、そんなことぐらい。そやからこのネタ、厳しい言うたんや」
くぼ「言うたんやって誰にですか?」
おかだ「作者やがな」
くぼ「作者って司馬遼太郎ですか?」
おかだ「死んだはるがな。このネタの作者や」
くぼ「最近、誰としゃべってるんですか?JFK召還されたり」
おかだ「……」
くぼ「監督?」
おかだ「……」
くぼ「監督?」
おかだ「撤退や」
くぼ「は?」
おかだ「撤退や。くぼ、しんがりは頼んだぞ!」
くぼ「すぐ影響されるんですから」
【記事編集】 |  00:13 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(0) | Top↑
そのとき。
2007.08.15 (Wed)
「そのとき」が近づいているような気がしてならない。

誰もが見たくない「そのとき」が。

ここしばらくの、あなたのプレーを見ていてそう思う。

ゆっくりと、でも、着実に「そのとき」が近づいているような気がしてならない。

「そのとき」が、現実となった瞬間、どんな感情が押し寄せてくるのだろうか?

どうして?と立ち尽くすのだろうか。

やっぱり。と受け入れるのだろうか。

わからない、わからない。わからないけれど。

わからないなりに、準備だけはしておきたい。

もういいんだよと、もうじゅうぶんだよと、声をかけてあげようと思う。

あなたのいないチームは、つまらないかもしれない。

あなたのいないチームは、物足りないかもしれない。

でもそれは、いつの日か、訪れること。

いつか、乗り越えなきゃならないこと。

大丈夫。チームは強くなったよ。選手は強くなったよ。

うん。だからこそ、やっぱりねぎらいの言葉をかけよう。

ゆっくり休んでおくれ。あなた自身の時を取り戻しておくれ。

きちんと、そう言おうと思う。

「そのとき」が訪れるまで、穏やかに、でもしっかりと腹を据えて、見守っていこうと思う。

ありがとう。


ありがとう。


ほんとうにありがとう。










背番号24。
【記事編集】 |  23:20 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(0) | Top↑
ニコールの夫
2007.04.19 (Thu)
▼中 日-阪 神 6回戦 (阪神3勝2敗1分、ナゴヤドーム、30554人)
 
虎 0 2 1 0 4 0 0 0 0=7
俺 0 1 0 0 5 0 3 0 X=9

【投手】
(神)ボーグルソン、江草、久保田、橋本健-矢野
(中)川上、小林、金剛、グラセスキ、岡本、岩瀬-谷繁、清水将

【責任投手】
(勝)グラセスキ6試合3勝
(S)岩瀬7試合5S
(敗)久保田9試合1勝1敗

【本塁打】
(神)
(中)


 
ニコールの夫がやってきた
井川の穴を埋めるために

ニコールの夫が頑張った
荒れ球に先制タイムリー

余裕の軽口を連発する男の隣で
微笑む女

いつになく上機嫌な男の隣で
嬉しそうなパパの姿を見て喜び、笑う子供

阪神初の完投はボーグルソン
そんな胡乱な考えを いったいだれが想像しただろう

ああ ニコールの夫よ
もうちょっとだ頑張ってくれ
幸せのため 家庭円満のため

ニコールの夫が併殺打
それでもみんな 浮かれ気分

ニコールの夫が井川になった
中日に7対1から逆転されて

薄ら笑いで現実逃避を決め込む男の隣で
泣き崩れる女

ありったけの罵声を浴びせる男の隣で
マジ切れしたパパの姿を見て驚き、泣く子供

川上発 金剛経由 岩瀬行き
そんな迂遠なルートを いったいだれが予測しただろう

ああ ニコールの夫よ
もうちょっと頑張れなかったのか
幸せのため 家庭円満のため
【記事編集】 |  23:09 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(6) | Top↑
いかんともしがたい男たち
2007.04.17 (Tue)
▼中 日-阪 神 4回戦 (阪神2勝1敗1分、ナゴヤドーム、31328人)
 
虎 0 0 0 0 0 0 0 0 0=0
俺 2 0 3 0 0 0 0 0 X=5

【投手】
(神)ジャン、橋本健-矢野
(中)山本昌-小田

【責任投手】
(勝)山本昌3試合1勝2敗
(敗)ジャン3試合2勝1敗

【本塁打】
(神)
(中)ウッズ8号3ラン(3回、ジャン)



――ああ、今年もまたここへ帰って来たなあ。

――ホンマやなあ。

――ここへ来たら、なあああんにもする気がなくなるなあ。

――ホンマやなあ。

――あくせく働くのがアホらしなってくるもんなあ。

――ホンマやなあ。

――「我が家」とはまたひと味違うねんなあ。

――ホンマやなあ。

――緑がまぶしいなあ。

――ホンマやなあ。

――よおし、今日も俺、このままなああんもせえへんぞおおお。

――よおおおおし、じゃあ俺も。

…………………。

――あ、流れ星や!

――きれいやなあ。

…………………。

――ああ、もう一日が終わってもうたがな。時の経つのは早いでえ。

――ホンマやなあ。

――しかもこの3泊4日が終わったら、次7月までないねんで。

――そうなんや?

――うん。それまでまた仕事頑張らんとなあ。

――ホンマやなあ。

――よおおし、あと2日、のんびりするぞおおおお。

――よおおし、俺なんかもっとのんびりするぞおおおお。

――なんやとおおおお、俺なんかもっともっとのんびりするぞおおおお。


あはは、あはは。あはは、あはは。



あー わかりました
すいませんでした
明日は必ず
必ず打ちます

大したことはないけど 体 動かなくて
大したことはないけど 実は

電話は
切れてる
(word by 奥田民生)

【記事編集】 |  21:29 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(0) | Top↑
深夜の電話
2007.04.13 (Fri)
▼阪 神-中 日 3回戦 (阪神2勝1分、甲子園、41228人)
 
俺 0 0 0 0 0 1 0 0 0=1
虎 1 2 0 0 0 0 0 0 X=3

【投手】
(中)川上、S.ラミレス-谷繁
(神)ボーグルソン、久保田、ジェフ、球児-矢野

【責任投手】
(勝)ボーグルソン2試合1勝
(S)藤川7試合6S
(敗)川上3試合1勝1敗

【本塁打】
(中)中村紀1号ソロ(6回、ボーグルソン
(神)ボーグルソン1号2ラン(2回、川上




トゥルルル…、トゥルルル…。

誰や、こんな夜中に…。

トゥルルル…、トゥルルル…。

ガチャ。

はい、お電話ありがとうございます。一口すすれば貴方もとりこ、かたおか製麺店です。

もしもし? もしもし?

――アノ……。

はい。

――アノ……。

どちらさんですか?

――夏場アタリカラ、やきそば屋サンヲハジメタインデスガ…。

そうですか。あ、でももう今日は遅いので、また明日あらためてもらえませんか?

――ゴメンナサイ…。


【記事編集】 |  02:23 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(10) | Top↑
不死鳥が…
2007.04.12 (Thu)
▼阪 神-中 日 2回戦 (阪神1勝1分、甲子園、43862人)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計
俺 3 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 0 6
虎 3 0 0 0 0 1 0 2 0 0 0 0 6

(延長十二回規定により引き分け)

【投手】
(中)長峰、デニー、S.ラミレス、グラセスキ、小林、浅尾、高橋、岡本-谷繁
(神)福原、江草、橋本健、桟原、ジェフ、球児、久保田-矢野

【本塁打】
(中)
(神)金本4号ソロ(6回、長峰)




一本の華麗なアーチは、百万本の妄想花より美しい――。

現実、という圧倒的なパワーを目の当たりにし、すっかり妄想力を失ってしまった男は、
そんなことを思いながら、自分では上手いこと言うてるつもりになっていた。

さて、今日もこのまま寝るか。
くわえていたタバコをもみ消して、そう呟いた直後のことであった。

バサッ、バサッ。

背後から、布団を上下に揺さぶったような音が聞こえてきたかと思うと、
たちまち部屋中に熱風が立ちこめ、火の粉が舞い上がった。

何事だ。

男が振り返るとそこには…。

不死鳥が舞い降りていた。

な、な、な…。

「びっくりした?」
チョコン、とアニキクッションの上に鎮座していた不死鳥は、
くりん、とした目をこちらに向けてたしかにそういった。

「いやほら、せっかくネタ振りしてるんやからさあ」

それにしても熱い。
すでにアニキクッションからは焦げ臭い匂いがしている。

…え?ネタ?

「うん。打率9分1厘。絶好の妄想ネタだと思うんやけど…」

ヒットが出ないのはネタ振りなん?

「そう。『うねりさん』の続編でもいいからさあ、そろそろ書いてくれないと」

するとなにか? キミは己の成績を犠牲にしてまで、
すっかり枯渇してしまった妄想力を引き出そうとしてくれていたのかい?

「今まで気ぃ付かへんかったん? 相変わらず鈍いなあ」

ごめん…って、そんなことあるはずがない。
危ない危ない。もう少しでダマされるところだった。

あのね不死鳥君、不振の原因をそんな屁理屈で…、

「シャレにならへんのよね。『リン出せ』とか『ひやまの方がまだマシや』とか」

はあ。

「リンくんには負けてるけど、ひやまさんにはまだ勝ってるよねえ」

そんな問題ではないと思うが…。

「とにかくなんか笑わしてよ」

いやあ、今ネタにしたら火に油を注ぐだけだと…。

「それやんか!」

不死鳥は、手羽先を男の目の前に突きつけた。
火の粉が舞い上がる。熱い。

ああ、アニキは毎年こんな辛いことしてるんやなあ。

「………………………やんか」

アニキに思いを馳せていたため、男は不死鳥の言葉を聞き逃してしまった。
しかし、何を言ったのか、だいたいわかるってもんだ。

火の鳥だから、油を注いで火力が上がればどうのこうの。
まあ、そんなとこだろう。

男は呟いた。

唐揚げになるがな。

「え…」

あ、ごめん、傷ついた?

「そんなベタなこと言う人なん?」

なんだ貴様。

「復活の日にさあ、そんなベタなネタはまずいなあ」

……。

「あ、でも福原さんも復活早々ベタなピッチン…」

お前が言うな。

「とにかく。書いてくれるまで帰らないからね」

火事になるんですけど。

アニキクッションはすっかり炭になっている。

「大丈夫。寝るときはタネ火にして寝るから」

ちょっと…。

「あ、明日は僕、お休みやから。リンくんがスタメン」

悔しくないのかい?

「だってネタ振りやから。じゃ、おやすみ」

男と不死鳥の共同生活が始まった。
【記事編集】 |  00:34 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(12) | Top↑
時には歴史小説のように
2006.10.01 (Sun)
阪 神-中 日 21回戦 (中日14勝6敗1分、甲子園、48515人)
 
竜 0 0 0 0 2 0 3 2 0=7
虎 1 0 0 0 0 0 0 0 0=1

【投手】
(中)山本昌(10勝7敗)、鈴木、小林、岡本-谷繁
(神)福原(12勝5敗)、ジェフ、久保田、江草-矢野

【本塁打】
(中)
(神)


二塁砦に投じたはずの球は、
なぜか、中央砦(注:マウンド)付近を転々としていた。

愛する妻が犯した、大きな失策。
男は混乱した。
そして、考えた。
なんとか、これを帳消しにできないものか。
その答えは、意外にも容易く見つかった。

自分自身が、失策を犯すこと。
それによって、妻の失策を世間の目から逸らす。

男の頭の中は、すでにこのことのみに支配されつつあった。

ここで読者は、

男は誤った解答を導き出している。

と思うに違いない。

しかし、そう断罪することは、いささか軽率にすぎると言わざるを得ない。

これまで、献身的に支えてきてくれた妻が起こした、信じ難い失策。
それを目の当たりにしたことによって、混乱した彼が、
半ば衝動的に下した決断。
稚拙かもしれない。
しかしいったい、この状況下において、
いかなる選択肢が残されていたというのか。
彼の判断は、何人(なんぴと)にも責めることはできない、
筆者は、そう思っている。

ところが、彼はここで、致命的な失敗をしてしまう。
自作自演の失策が、非常に、中途半端なものになってしまったのだ。

一塁砦に投じた球が、わずか手前で短弾(注:ショートバウンド)し、
二塁砦から救援に駆けつけていた野手が、前にこぼす。

これが、男の企図した、自作自演失策の全容である。
妻の失策と比べると、衝撃、という点において、
どうしても見劣りがする。

事実、合戦を遠巻きに見物していた者たちの目には、
妻の失策の残像が、いまだ色濃く刻み込まれたままであった。

男にとって、さらに不運だったのは、
この失策、見た目には、
救援に駆けつけた野手の失策のように映ってしまったことだ。

そしてこの野手こそ、前回の「後楽園ヶ原の合戦」において、
男の窮地を幾度となく救ってくれた、
二塁の防御手、忍者「猿」、その人である。

男は、ますます、混乱の度合いを深めていく。
愛する妻の失策は、帳消しにできなかった。
それどころか、命の恩人とも言うべき「猿」に、
失策者の汚名を着せてしまうところだった。
絶望が、彼を支配しようとしていた。

男には、落合博満軍の攻撃に抗うだけの気力は、
もはや残っていなかった。
精も根も尽き果てた表情で、
男は中央砦に立ち尽くしていた。

退却。
男は、そうつぶやき、静かに合戦場から姿を消した。
時に平成一八年九月三〇日、申の刻のことであった。

猿と申がかかっていることに、
歴史の小さないたずらを感じるのは、筆者だけであろうか。

甲子園ヶ原の合戦。
快進撃を続けてきた岡田彰布軍が喫した手痛い敗北。
その裏には、こうした、決して歴史の表舞台に出ることのない、
一人の武士(もののふ)の悲しい物語があるのだった。
【記事編集】 |  02:17 |  中日戦  | トラックバック(0) | コメント(10) | Top↑
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